リハ
フィクションならいくらでもあつくなれるのに、なれるのにっていうかなれるから、現在現時点の自分がなにもなしえない人生を、人生の選択肢を歩んでいる気がするその度に、慌てて現実的じゃない、なくても困らないもので身動き取れないくらい自分の周りを埋めてしまう。
なので部屋がガラクタと着もしないTシャツと弁当のゴミで溢れている。
部屋が本当に汚い。ギリ人が住める廃墟。トカゲつき。
かわいいでしょ。ニコラシカです。非常に非日常的でいいなお前は。
まだ全然リハーサルな気がする瞬間ないですか。ある日会社に向かう途中、駅のホームの少し薄暗いところから見るからに金のなさそうな痩せていて小柄でメガネをかけた青年というには少し無理があるかなあくらいの男が出てきて「稽古はそのへんにしてそろそろ本番だ」と言っておれの手を引きながら一緒に電車に跳ねられて、気がついたら小学生になっててサッカーが上手くて中学生で羽生善治に勝って高校では普通にモテて大学遊んで恐竜の博士になるみたいな人生を歩んで拍手を浴びながら死ぬ。
新しい恐竜見つけて死ぬ。
熊本のミフネで。
ナカムラトプス。
リハはリハでいい。好き勝手できるから。
終わったらいやあやってしまいましたなみたいな顔でへらへら笑うくらいの気持ちでいきたいですね。
本番が控えてるから。